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 寄せ書き 
ボナ植木「あせることなく着実にご勉強なさることを期待します」

マジシャン・ナポレオンズ
 こんにちは。星新一ファンもしくは崇拝者の皆様、初めまして。 私はコメディマジシャン・ナポレオンズのいい男の方のボナ植木といいます。

 いきなりですが私の宝ものは星新一さんからいただいたハガキです。 確か高校生の時だとおもいます。 ファンレターを出したらお返事がきました。 いまだ額にいれて家に飾ってあります。
 そこには「愛読してくれてありがとう」とともにまったく見ず知らずの私ごときの高校生に「あせることなく着実にご勉強なさることを期待します」と書いてあったのです。
 なんと優しいお言葉でしょうか。 人柄がにじみでる言葉だと思いませんか?

 そのとおりあせることなく勉強したおかげで?いいマジシャンになれました。 遅ればせながら星新一さんに感謝申し上げます。


 さて、本題?に入りますが実は36年にもわたってマジシャンとして活躍している大きな要因は星新一ショートショートにあると確信しているのです。
 今年還暦になってちょっと人生を振り返った時、小学生の頃から星さんのショートショートを読み、時には自分でも星さんの見よう見まねでショートショートもどきを書き、小4の時には学校文集に載ったこともあります。

 ショートショートの三条件(私が知ったのは石川喬司さんの文章からですが)新鮮なアイデア、完全なプロット、意外な結末――その三原則はなんとマジックを演技するのに必要なものとまったく同じだとのちに認識したのです。
 それらは私の子供の頃からショートショートによってすり込まれていったといっても過言ではないでしょう。

 もちろん親父が趣味で手品をやっていたということもあり小学生の頃からマジック道具をいじっていました。
 つまりハードの部分は親父から、そしてソフトの部分を星新一さんから学んだといっていいのです。


 宣伝になりますが、この歳になって人生初めての小説を出版することができました。 『魔術師たちと蠱惑のテーブル』(武田ランダムハウスジャパン)という本です。 当然、巻頭に星新一さんへの謝辞を書きました。オマージュでもあります。

 その本はマジックがテーマのショートショートです。 自分の中ではマジックとショートショートの合体だと思っております(もちろんまったく星新一さんには及びません)。 その本が出版されたお陰でいまここに拙文を書かせていただいたというわけなのです。

 そこでこの機会に、星新一さんのメッセージを私から若い読者の皆様に贈りたいと思った次第です。
 ――あせることなく着実にご勉強なさることを期待します――と。


2012年11月

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