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 寄せ書き 
田中二郎 「In case of break, fire this!」*

開智国際大学准教授
 星作品を初めて読んだのは、小学校のおわりか、中学の頃でした。 そこに描かれていたのは、コンピュータなどが活躍する未来です。 そんな明るい未来を信じていた私は、もともと好きだった電子工作から、 アマチュア無線を経てデジタル回路にたどり着き、そこから電子計算機、 今でいうコンピュータの世界へと進んでいきました。

 時は流れて、インターネットのおかげで、世界中とつながることができるようになりました。 私も自宅に専用線をひき、インターネット三昧の日々をおくるようになりました。 ネットで知り合う人も増え、その縁でこのサイトの管理もするようになりました。 (この星新一公式サイトは、私の自宅のサーバで動います)


 何か書いて欲しいといわれたので、星作品で心に残ってるものを、と考えたのですが、 「〜といったお話です」って紹介すると、ネタバレになっちゃいます。 そのため、タイトルのみ書いて紹介しようと思ったのですが、これが大変。 お話の中身は覚えているのに、タイトルは覚えてない!  仕方ないので新潮社の全集『星新一 ショートショート1001』を読み直していきました。

 読んでも読んでも終わらない1001篇。ようやく見つけたタイトルは「見物の人」でした。 今の世の中、多くの人がこの登場人物のようになってしまっているのではないでしょうか?  これだけじゃ判らないでしょう? ぜひ、探し出して読んでみてください。


そして、あともうひとつ。ぜひとも紹介したい話があったのですが、見つかりません。 見落としたのかもしれないと思い、最初からページをめくりなおします。 それでも見つからない・・・

 そもそも星作品の魅力は、地と図の逆転にあると思ってます。 グーグルさんで出てくる「地と図」の絵はだいたいが白黒ですが、 星作品の場合、それは様々な色合いで、しかも様々な形をしています。 明るい未来か、じわじわとやってくる絶望か。いや、そもそも明るい未来に絶望するのか?  毎度毎度、わかってはいるけれど、鮮やかな逆転。ついつい読み進めてしまいます。

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 そんなわけで、記憶にある作品を探すのに3ヶ月近くかかってしまいました。 でも、結局、もうひとつの作品は見つけることができませんでした。 星新一作品に間違いないのに・・・

 最後はクーグルさんにお願い。ネットは偉大ですね。 見つけた作品は『声の網』。ショートショートじゃなかったんです。 星新一 = ショートショートと思い込んでいた私の負けです。

 星さんの場合、ショートショートは「図」なんでしょうか? 「地」なんでしょうか?  いや、そもそも「地と図」は、「地」だけ・「図」だけでは成り立ちません。 絵でいえば、白い部分と黒い部分があって、はじめて絵になるわけです。 星作品も、ショートショートあり、長編あり、エッセイあり・・・。 すべてひっくるめて『星新一』なのです。

 これを書かせていただいたおかげで、新たな考えを得ることができました。 いつまでたっても色あせない、そして色々考えさせられる星作品。 ショートショート以外も、また全部読み直してみようかなと思います。

*タイトルは、『進化した猿たち』で星さんが紹介されていたアメリカンジョークで、元ネタの「In case of fire, break this!」を逆転したものです。


2015年9月

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