恥ずかしながら星新一さんのショートショートを知ったのは大学生になってからです。
きっかけはお笑いライブのアンケート。
自分は早稲田大学のお笑いサークル出身のWAGEという5人組に所属していました。
ストーリー仕立てのコントグループで、よく言われていたダメ出しは「オチが弱い」。
そんな時にライブのお客様アンケートで、「星新一のショートショートを参考にしてみたらどうですか?」とあり読み始めたのが出会いです。
WAGEにはそれぞれ担当のようなものがあり、ネタの書けない僕はチケット売りや宣伝などの営業活動がメインでした。
しかし少しはネタに携わりたいという思いからオチを研究しようととにかく読み漁りました。
そして誰もが唸るようなオチを次々と思いつきました…… というのは妄想で、現実はそううまいことはいかず全然採用されませんでした(笑)。
しかし世の中に無駄になる事など1つもありません。
国文学科に所属していたので卒業論文のテーマを「星新一論」にさせて頂きました。
作文用紙80枚を手書きで。字を埋める事に必死で内容は…… まぁ置いといて、このタイミングで初めてショートショート作品だけでなく、お父様の事を書かれた『人民は弱し 官民は強し』や、『祖父・小金井良精の記』、星さんの頭の中が覗ける『きまぐれ星のメモ』などを読みました。
奇抜なストーリーとは裏腹に星さんの真面目で努力家の一面と設定を捻り出す苦悩を知りました。
僕は思いつきやノリでネタを作ってしまいますが、星さんは考え抜いた結果辿りつく、だから奥行きのある何度読んでも発見があるような作品ができるんだと思います。
ちなみにショートショート作品でいうと、「午後の恐竜」と「おーい でてこーい」が好きです。
考えてみると2つともテーマは地球。
今僕は地球環境問題に興味があり、海パンの柄はSDGs仕様です。
気になることや必要なことは、無意識でも頭の中に残りやすいといいます。
ロボット、宇宙人、薬、悪魔、恋愛、政治、新ルール、数々のテーマの物語がある星作品を読む事で自分がまだ気がついてない潜在レベルで興味のある事を教えてくれたりして。
夢がまだ決まらない若者に勧めたいです。
最後に。造語が大好きだったという星さんに僕のネタを贈ります。
おっぱっぴー! ピーヤ! ぱちょーん!
いかがでしょう!(天を見上げる)
2022年11月
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